そんなふうに言わないで:精神疾患の当事者としての思い
精神疾患を抱えている僕たちに対して、「子供を産まないでほしい」という意見がSNSで出回っていると知り、とてもショックを受けました。
それはエックスに現れた以下のような内容のポストです。
「精神病の人に『エッチをしないでほしい』とまでは言うつもりはありませんが、たまたま妊娠したとしても子供は産まないでほしいです。なぜなら、その子供達は障害を持って生まれたことで、自殺未遂や自殺で人を困らせる人になったり、空気が読めなくて完全に孤立する社会的弱者になったりするからです。これ以上不幸な人たちを増やさないでほしいですね」
この内容を見て、心が痛んだり、自己嫌悪に陥ったりする人も多いのではないでしょうか。
今回は、精神疾患の当事者として、どうしてこんな考え方が誤解に基づいているのか、そして僕たちの声を届けたいと思います。
精神疾患を抱える親でも、愛情は同じ
まず、精神疾患を抱えているからといって、親としての愛情が欠けているわけではありません。
僕たちは、他のどんな親と同じように、自分の子供を愛し、守り、幸せになってほしいと願っています。病気があるからといって、その思いが少なくなることは決してありません。
確かに、精神疾患を抱えていると、時には自分自身をコントロールするのが難しいこともあります。
それでも、支援や治療を受けながら、家族とともに乗り越えていくことができると信じています。
子供に障害があるということ
子供に障害がある可能性についても触れられていますが、障害があるからといって、その子供が必ずしも不幸になるわけではありません。
障害を持っているからこそ、その子供は特別な強みや視点を持つことができるのです。
社会の中で孤立することがあったとしても、理解ある仲間や家族が支えてくれることで、充実した人生を送ることができます。
さらに言えば、障害を持って生まれるかどうかは、親の精神疾患だけで決まるものではありません。
遺伝の要因や環境の影響など、多くの要素が関わっています。
精神疾患を理由に、未来の子供の可能性を否定するのは、あまりに短絡的な考え方です。
不幸を増やさないために
「不幸な人たちを増やさないでほしい」という言葉には、深い誤解が含まれています。
僕たち精神疾患を持つ人々は、不幸ではありません。
確かに、日々の生活は大変なことも多いですが、それでも僕たちは自分なりの幸せを見つけて生きています。
幸せは、一つの形ではありません。
誰もが自分にとっての幸せを見つける権利を持っています。
それがどんな形であっても、それを他人が否定する権利はないはずです。
当事者としての声
僕たち精神疾患を抱える人々は、自分たちの存在が社会にどう受け止められるかに敏感です。
だからこそ、今回のような発言が出ると、深く傷ついてしまいます。
しかし、僕たちには、自分たちが価値ある存在であることを、そして僕たちの子供もまた価値ある存在であることを、伝えていく責任があります。
最後に、理解を深めることが最も大切だと感じます。
精神疾患や障害についての正しい知識を持ち、他者を尊重することが、社会全体の幸せにつながるはずです。
僕たちは一人ではありません。
支え合い、理解し合うことで、より良い未来を築いていきましょう。