「AIに文章を書かせれば、自分も楽に情報発信できるかもしれない」
最近、ブログやSNSを始めようとする人から、そんな期待の声をよく聞きます。
たしかに、AIの進化は凄まじいものがあります。 ボタン一つで、それらしい文章が一瞬で出来上がってしまう。 かつて、言葉をひねり出すのに苦しんだ経験がある人ほど、その「万能感」に惹かれてしまう気持ちは、僕にもよくわかります。
僕も、あなたと同じようにAIに大きな期待を寄せていた一人です。
しかし、結論から言います。 もしあなたが「AIに文章のすべてを丸投げしよう」と考えているなら、その試みは、ほぼ確実に失敗します。
なぜ、僕がここまで強く断言できるのか。
それは、僕自身がAIに100%書かせた小説をKindleで販売し、ものの見事に「1冊も売れなかった」からです。
今日は、その手痛い失敗談と、AIがどれだけ進化しても奪うことのできない「人間の仕事」について、誠実にお話ししたいと思います。
AIが書いた「上手な小説」が、1冊も売れなかった日
僕は、かつて本気で「文章で食べていくこと」を夢見ていました。 もちろん、その夢は小説家という形では叶いませんでしたが、文章を書くことに対するプライドやこだわりは、人一倍強かった自負があります。
だからこそ、AIが書く文章をどこか見下していました。 「どうせ、機械が書いた無機質な文章だろう」と。
しかし、実際に使ってみて衝撃を受けました。 AIは、僕が唸るほど「上手な文章」を書いてきたのです。 破綻のない構成。よどみない展開。
僕は、ある「実験」を思いつきました。
「僕が一切手出しをせず、AIに100%書かせた小説は、世の中に通用するのか？」
僕はあえて自分の筆を折り、プロットの指示から本文の執筆まで、すべてをAIに委ねました。文章で生きたかったプライドを横に置き、AIの「才能」に賭けてみたのです。
数時間後、AIは1冊の短編小説を書き上げました。 それは、たしかに「上手」でした。
しかし、致命的に「つまらない」ものでした。
自分でもう一度読み返してみても、心が1ミリも動かない。 まるで、他人が書いた完璧な「レポート」を読んでいるような感覚。そこには体温がありませんでした。
例えば、作中には「笑い」のシーンがあります。 AIは「彼は面白いジョークを言った。皆が笑った」と表現しました。 論理的には正しい。しかし、そこに「心」はありませんでした。
人間が書く文章なら、「彼の的外れな一言に、一瞬空気が凍りつき、次の瞬間、こらえきれない笑いが漏れた」といった、感情の機微や情景が浮かぶはずです。
AIが作った笑いは、まったく笑えなかったのです。
それでも僕は、「僕の主観が邪魔しているだけかもしれない」と思い直し、その「平均点の文章」をKindleストアで販売しました。
結果は、惨敗でした。
誰の目にも留まらず、誰の心にも届かず、ものの見事に、1冊も売れませんでした。
AIは「平均点を取る機械」でしかない
絶望的な結果を見て、僕は痛感しました。
AIは「平均点を取る機械」でしかない、と。
AIは、インターネット上にある膨大なデータを学習し、「最も正解に近い確率の言葉」を選んで文章を組み立てます。 だから、文法的に正しく、論理的に破綻のない「上手な文章」を作ることができます。
しかし、人の心を本当に動かすのは、その「平均点」ではありません。
むしろ、「平均から外れた、たった一人の強烈な体験」です。
例えば、 「副業で失敗し、貯金が底をついた情けなさ」 「人前でうまく話せず、コンプレックスを抱えた悔しさ」 「『普通』に働けず、社会から取り残されたような孤独感」
これらは、決して平均点ではありません。 その人にしか書けない、唯一無二の「感情」であり「経験」です。
AIには、この「経験」がありません。 AIは、あなたが体験した悔しさも、情けなさも、孤独も、何も知りません。 だから、AIが書いた文章には「心」がないのです。
AIは、完璧なセンタリング（パス）を上げることはできます。 「ブログの書き方」として、100点満点の構成案を作ることはできるでしょう。
でも、ゴール前で泥臭くボールに食らいつき、読者の心を揺らすシュートを打つのは、いつだって「人間」の仕事です。 僕の「1冊も売れなかった」という経験談こそが、その強烈なシュートなのです。
AIは「設計図」、魂を吹き込むのは「あなた」
では、AIは情報発信において不要なのでしょうか？
いいえ、逆です。 AIは、使い方さえ間違えなければ「最強のサポーター」になります。
僕は、「継続は『意志』ではなく『設計』である」と一貫して伝えています。 根性論ではなく、物事を継続させるための「仕組み」が重要だと。
AIは、まさにこの「設計（仕組み作り）」を圧倒的に得意としています。
・ブログの構成案（骨組み）を作らせる
・面倒なリサーチを手伝わせる
・誤字脱字をチェックさせる
これらはAIに任せていい。 AIに「裏ワザ」を求めて丸投げするのではなく、自分の「土台作り」を手伝わせるのです。
そして、あなたの仕事は、AIが作ったその「設計図」に、「魂」を吹き込むことです。
AIが作った平均点の骨組みに、 あなたの「失敗談」という血肉を通わせ、 あなたの「譲れない価値観」という体温を与える。
AIに「楽をさせてもらう」のではありません。 AIを「使いこなし」、あなたの経験を輝かせるのです。
AI時代に、あなたの「失敗談」が武器になる
AIが進化すればするほど、インターネットには「平均点の正しい文章」が溢れかえります。 誰もがAIを使い、同じような情報、同じような言葉が量産されていくでしょう。
そんな時代だからこそ、圧倒的な価値を持つもの。 それが、「あなたの経験」そのものです。
AIが書いた平均点の記事が100記事あっても、 僕が体験した「AI小説が1冊も売れなかった」という、たった一つの「心」がこもった失敗談には、まず勝てません。
もし、あなたが過去に副業で挫折した経験があるなら。 もし、「自分には特別な才能なんてない」と思い込んでいるなら。
その経験こそが、そのコンプレックスこそが、AIには逆立ちしても書けない、あなたの最強の武器になります。
AIに書かせて楽をしよう、ではありません。 AIという最強のサポーターを使って、あなたの「資産」を、過去のあなたと同じように悩んでいる誰かに届けよう。
それこそが、情報発信で生きづらさや稼ぎづらさを軽くする、最も誠実で、本質的な一歩です。
「仕事がつらい」
「お金に不安がある」
「でも、何から始めていいかわからない」
そんな生きづらさを感じているなら、なおさらです。 あなたの「痛恨の失敗」という経験が、誰かの「1歩目」を踏み出す勇気になります。
僕が、AIを「設計」にどう使い、自分の「経験」を「資産」に変えていったか。 その具体的な方法論や、失敗から学んだ泥臭い話は、メルマガで詳しくお話ししています。
もしあなたが、AIに振り回されるのではなく、AIを使いこなし、自分の経験を価値に変えたいと思うなら、ぜひ一度、覗きに来てください。