「AIに、どう指示を出せばいいか分からない」
「AIに教え込むほどの“哲学”が、自分にはない」
もしあなたがそう感じて、AIの前で手が止まってしまっているのなら。 それは、あなたの意志が弱いからでも、あなたに中身がないからでもありません。
こんにちは、ゴリアスです。 以前、僕はAIを「弟子」として育て、自分の哲学や文体をインストールし、「書かせる」技術についてお話ししました。
それは、AIを自分の分身のように動かす、ある意味で高度な使い方です。 そして、この方法には「師匠」であるあなた自身に、確固たる「意志」や「哲学」が求められます。
しかし、多くの方がここで壁にぶつかります。 「AIに教える“中身”が、自分の中にない」 その結果、「AIは使えない」と諦めてしまう。
かつての僕も、まったく同じでした。 「さあ、AIよ。私の代わりに書きなさい」 そう指示しても、出てくるのは当たり障りのない、どこかで読んだような一般論ばかり。
「AIがダメなんじゃない。僕の使い方が、僕の『設計』が間違っているんだ」
そう気づいた僕は、「意志」の力でAIに書かせるのをやめ、まったく別の使い方、つまり「設計」の力でAIと向き合うことにしました。
AIに「書かせる」のではなく、AIに「質問させる」のです。 AIは「ライター」ではなく、「最強の壁打ち相手」でした。
僕がAIに「盲点」を指摘された日
僕がこの使い方に気づいたのは、あるGem(Geminiのカスタム機能)を開発している時でした。
「こんな機能を追加したい」 「こんな指示をさせたい」
意気揚々と、自分では「完璧だ」と思える設計図をAIに伝えていたんです。 その時、AIは意外な反応を返してきました。
「その機能は素晴らしいですが、ユーザーの個人情報を扱うことへの懸念はありませんか?」 「質問が多すぎると、ユーザーの負荷が高すぎて使われなくなる可能性があります」
ハッとしました。 僕ひとりの視点では、まったく気づけなかった「盲点」です。 AIは、僕が「やれ」と指示したことを実行するだけでなく、僕が見落としている「リスク」や「客観的な視点」を、冷静に指摘してくれたのです。
これは、ブログ記事の執筆においてもまったく同じでした。
あなたの「一次情報」は、とAIは質問した
ブログのネタに困り、AIに相談していた時のことです。 「AIライティングについて記事を書きたいんだけど、何かいい切り口はない?」
AIは、いくつかの一般的な切り口を提案した後、こう僕に「質問」してきました。
「あなたがAIライティングに関して、具体的に体験した“一次情報(エピソード)”があれば教えてください。それが記事の最も強力な“価値”になります」
その瞬間、忘れていた記憶が蘇りました。 [経験はすべて「資産」になる]。僕の核となる考え方そのものです。
そういえば、AIに健康相談をした時、予想外の回答が返ってきて驚いたことがあったな、と。 僕は「ウォーキングについてアドバイスが欲しい」と頼んだだけでした。 AIは当然ウォーキングのアドバイスをくれましたが、それだけではなかったのです。
「血圧の管理には、寝る前の深呼吸も効果的ですよ」 「歩くだけでなく、股関節のストレッチも加えると腰痛予防になります」
そう、これです。 AIは、僕が求めたA地点(ウォーキング)だけでなく、関連するB地点(深呼吸)やC地点(ストレッチ)を提示し、僕の「視点」そのものを広げてくれた。
このエピソードをAIに話す(入力する)と、AIはそれを基に「AIは“盲点”を教えてくれるパートナーだ」という、僕だけのオリジナルな記事の骨子を組み上げてくれたのです。
僕がAIに「書かせた」のではありません。 AIが僕に「質問」し、僕自身が「書きたいこと(資産)」を思い出させてくれたのです。
「書かせる(意志)」を捨て、「対話する(設計)」を選ぶ
もしあなたが、「何を書けばいいか分からない」と悩んでいるなら。 もしあなたが、AIに「哲学」を教え込むことにハードルを感じているなら。
AIに「書かせる」のは、いったんやめてみましょう。 AIを「ライター」として雇うのは、まだ早いのです。
僕の核となる考え方は、「継続は『意志』ではなく『設計』である」です。 AIに「弟子」になってもらい、自分の代わりに書かせるのは、師匠としての「意志」や「哲学」を強く求められる、いわば「意志の力」が必要なアプローチです。
でも、AIを「壁打ち相手」にするのは違います。 これは「設計」のアプローチです。 あなたがやることは、AIの「質問」に答えることだけ。 「質問に答える」という仕組み(設計)に乗るだけで、あなたは自分の中にある「経験」という資産を、AIに引き出してもらうことができます。
「意志」の力でゼロから生み出すのではなく、「設計」の力で引き出してもらう。 だから、あなたに「教える中身」が今なくても、まったく問題ありません。
今日から使える、具体的な「魔法の指示(プロンプト)」を置いておきます。
▼ AIを「壁打ち相手」にする魔法の指示 ▼
私は今、「(ここにあなたのテーマ。例:ブログのネタ)について考えています。 ですが、まだ考えがまとまっていません。 あなたはプロのインタビュアーとして、私の考えを深掘りするために、私に「鋭い質問」を5つしてください。 私の回答(一次情報)を引き出すことで、私だけのオリジナルな記事が書けるように手伝ってください。
あなたの「頭の中」にこそ、価値がある
AIの回答が「一般的」なのではありません。 あなたの「質問(指示)」が、一般的だっただけなのです。
AIに「書かせる」のをやめ、「対話」を始めた瞬間、あなたの「書きたいこと」は、そこから溢れ出してきます。
とはいえ、AIと「対話」することは、あくまでスタートラインです。 その溢れ出した「書きたいこと(経験という資産)」を、どうやって読者の心に届く「記事」にし、さらには「収益」に変えていくのか?
そこには、もう一歩進んだ「設計図」が必要になります。
僕のメルマガでは、AIを“壁打ち相手”から、あなたの代わりに働く“本当の弟子”へと育て上げる具体的な方法や、あなたの経験を「資産(Kindleやnote)」に変えるための、より詳しい「設計図」についてお話ししています。
「AIとの対話」の先にある、本当の「発信」に興味があるなら、ぜひメルマガも覗いてみてください。