40代、サラリーマン。
毎日、汗ばむ満員電車に揺られながら真面目に働き、数年前からは世間の流れに合わせて新NISAでの積立投資も始めた。メディアは「老後2000万円問題」と声高に叫び、自分なりに、必死に未来への備えをしているつもり。
でも、心のどこかで、まるで霧のように晴れない、もやもやとした不安が常にありませんか？
この会社の寿命は、あと何年だろうか。約束された退職金は、本当に出るのだろうか。子どもの教育費は、このまま払い続けられるのだろうか。考えれば考えるほど、胸のあたりがざわつき、浅い呼吸しかできなくなる。
もし、あなたが同じような息苦しさを抱えているとしたら。それは決して、あなただけが感じている孤独な不安ではありません。
なぜ僕が、あなたのその不安を、まるで自分のことのように理解できるのか。 それは、僕自身が「約束された将来」だと思っていたレールから、突然突き落とされた経験があるからです。
エリート街道を歩んできたわけではありません。それでも、大学を出て、それなりの規模の会社に入り、真面目に働いていれば、大きな波乱もなく定年まで勤め上げられる。そんな、漠然とした人生プランを信じていました。
しかし、その日常は、ある日突然、音を立てて崩れ落ちました。
うつ病でした。
朝、鉛を飲み込んだように身体が起き上がらない。会社のデスクに向かっても、パソコンの画面が滲んで、書類の文字が意味をなさなくなる。理由もなく涙が溢れ、食事が砂の味しかしなくなる。気づけば僕は、会社に行けなくなっていました。
社会からのドロップアウト。 それは、僕にとって人生の終わりを意味するように感じられました。
来る日も来る日も、自宅のベッドの上で、ただ真っ白な天井を見上げるだけの日々。社会では同期が出世し、後輩が活躍しているという噂が聞こえてくる。それなのに自分は、ただ時間だけを浪費している。焦りと絶望が、冷たい鉄のように心臓を締め付けていました。
不思議なもので、そんな絶望の渦中にいるとき、老後の心配など考える余裕は一切ありませんでした。2000万円どころか、明日の食事をどうするか。来月の家賃をどうやって払うか。遠い未来の不安より、目の前にある「今日の絶望」の方が、比較にならないほど重く、現実的だったのです。
この経験を通じて、僕はひとつの事実に、身をもって気づかされました。 それは、「未来のために今を我慢する」というサラリーマン的な生き方が、いかに脆く、危ういものであるかということです。
僕たちは、子どもの頃からそう教えられてきました。良い大学に入るために、今、遊びを我慢する。良い会社に入るために、今、必死に就職活動を頑張る。将来、楽をするために、今、身を粉にして働く。
もちろん、その生き方を否定するつもりはありません。 でも、その「将来」は、本当に誰かに保証されているのでしょうか。
僕の人生がそうであったように、誰の身にも、予期せぬ出来事は起こり得ます。明日、今の会社がなくなるかもしれない。明日、僕のように、心が壊れて働けなくなるかもしれない。
だとすれば、僕たちに必要なのは、遠い未来の安心のために「今」を犠牲にすることではない。
「今」この瞬間を、少しでも豊かに、少しでも心に余裕を持って生きることではないでしょうか。
僕は、暗い部屋の天井を見上げながら、そう強く思うようになったのです。
「今」を充実させるためには、やはり心の余裕が必要です。そして、心の余裕は、綺麗事ではなく、お金の余裕と深く結びついています。
将来のための「資産運用」は、もちろん大切です。それは未来への種まきです。
でも、それと同時に、今の生活を、今の心を豊かにするための「現金収入」を得ること。未来への投資と、「今」を豊かにするキャッシュフロー。この両輪があって初めて、僕たちの人生は、予期せぬ嵐にも耐えうる、安定したものになるのではないでしょうか。
僕にとって、その手段が「副業」でした。
それは、未来の不安から逃げるための、消極的な守りの選択ではありません。 「今」をより良く生きるための、能動的で、前向きな攻めの選択でした。
副業で得た月に数万円のお金は、将来の資産形成に回すのではなく、家族と少し豪華な外食をするために使ったり、ずっと読みたかった専門書を値段を気にせず買ったりするために使いました。
それは、「今」を豊かにするための投資でした。そして、その小さな豊かさが、僕の心をどれだけ救ってくれたか、言葉にできません。
未来は、誰にも分かりません。 だからこそ、僕たちは「今」に集中すべきなのだと、僕は信じています。
この記事では、具体的な副業のノウハウについて語るつもりはありません。ただ、もしあなたが、かつての僕と同じように、漠然とした将来への不安に息苦しさを感じ、「”今”を変えたい」と本気で思うなら。
その一歩を踏み出すための具体的な考え方や行動について、僕自身の経験から直接お伝えできることがあります。
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